本棚の肥やしになってしまって何年経過したんでしょう(笑)
ふと手に取り、読み始めたらとまらず...
久々に物語に没頭できました。
感想としては、とにかくザラついた。
途中、何度も口をゆすぎたくなる描写力の凄さに圧巻です。
内容は、とてもシュール。
しかし、写実的かつ臨場感たっぷりの文章のお陰で、
肌にまとわりつくような、こびりつくような、
とにかくのどがザラついて不快になります。
そこがこの作品の力なんだと思います。
メッセージ性みたいなものを深読みする人もいると思いますが、
個人的には楽しく読むに限るかなと。
解釈なんて放って、この作品に身を投じてズルズルと砂地獄に
引きこまれながら読むのをおススメします。
安部公房自身、
小説とは意味にまだ到達しない実態を提示することだと言っていますので。
彼の作品の中でも読みやすいと言われているこの本。
ザラザラとまとわりつく不条理な世界をおススメします。
Posted by onomichie | 12:09 | Comment [0] | TrackBack [0] | 日記